近代化産業遺産 

 

我が国鉱業近代化のモデルとなった生野鉱山などにおける鉱業の歩みを物語る近代化産業遺産群

    ご注意!
 ここで紹介する建造物、施設等の多くは一般公開されていません。
公開されているものとしては金香瀬地区の現在「史跡・生野銀山」で
生野鉱山で唯一の鉱山観光施設となっているものがあります。
 


日本を代表する近代化遺産として 
非公開
  旧幕府領での鉱山開発を全く一新し、明治初年以後官営モデル鉱山として一気に外国の技術導入を果たした生野の町は特徴的な近代化事例といえよう。
 生野はその後三菱鉱山へと払い下げられ、生野一神子畑一明延へと近在の鉱山が連携することによって戦後に至るまで単一産業下の町として発展していくことになる。
 社会基盤整備としてもっとも早く広域的に行われたのは、現在「銀の馬車道」の愛称で呼ばれている生野一飾磨間の道路整備(明治9年)である。
 生野で必要とする諸物資の運搬のために、瀬戸内の飾磨港までの旧道を砕石舗装で整備した専用道路である。
旧混汞所
(現三菱マテリアル(株)生野事業所綜合事務所)
 
非公開
  明治8(1875)年竣工。担当したのはフランス人技師ムーセ、小林八郎、今蔵美平。
 その後『意見書』により沈殿所に改造されており、西側1スパン分はその際の増築と見られる。
 煉瓦造建物で、沈殿場の時期の古写真では1層の建物として使用していたようであるが、現在は2階建に改築されている。
壁面の煉瓦積は当初部分でフランス積、増築部でイギリス積を確認できる。
隅角部は石積。窓部分はセグメンタルアーチ。
旧搗鉱所(現電気炉)
 
非公開
明治7(1874)年竣工。担当したのはフランス人技師
ムーセ、小林八郎、今蔵美平。煉瓦造平屋建。

 その後『意見書』により汰鉱所に改造されており、その際に東部に大幅に増築していると考えられる。
壁面の煉瓦積は当初部分でフランス積、増築部でイギリス積と長手積が確認でき、また「大」「B」「上」の刻印のある煉瓦も確認できた。
窓部分はセグメンタルアーチ。
前オリバーフィルター室/中門休憩室
 
非公開
 現在は倉庫となっているこれらの建物は煉瓦造建物で
イギリス積一部長手積。

出入口はローマンアーチ、キーストーン付で起扶部が
強調されている。

窓部分はセグメンタルアーチ。
明治23(1890)年に出された『意見書』に従って、新築されたと思われる。

中門休憩所は後に増築された建物で見張室・モーター室として使用された。
旧熔鉱場/前バキュームポンプ室
 
非公開
太盛山上煙突
 
非公開
  明治32(1899)年築造。

煙害軽減のため太盛山中腹に作られた排煙用煙道の排出口部分である。
 すべてカラミ石造ある。現存遺構の高さは約4m。
太盛通洞坑口 

非公開
  大正7(1918)年築造。

 それまで金香瀬産粗鉱は金香瀬の坑外選鉱場で手選の上で精鉱は太盛の本部選鉱場に送られていたが、後述の疏水坑道を経る地中の搬送により太盛へ送り、太盛産粗鉱とともに新設の竪坑で引き上げ、新設の通洞で坑外に搬出するという合理化計画によって造られた通洞坑の坑口。
 煉瓦造で開口部は石造、セグメンタルアーチ、キーストーン付きで起拘部が強調されている。
 金香瀬地区の鉱山産業遺産  金香瀬地区は現在「史跡・生野銀山」として生野鉱山で唯一の鉱山観光施設となっている。
 旧生野支庁正門門柱   史跡 生野銀山に移設
 金香瀬坑口   史跡 生野銀山として一般公開
 鷹ノ巣ダム(公開)および水路(非公開  明治初年に工場の動力源として水力を用いるために水路がつくられた
 円山疎水坑(非公開)  疎水坑道は全町4442m、金香瀬まで通じている
 鉱山専用軌道路床   小野〜新町、姫宮神社〜鍛冶屋町に路床
(トロッコ軌道)が残存
旧配給所・購買会 (非公開)   従業員組織の購買会、従業員食堂(2階)
旧松本林右衛門邸 (非公開)  「生野クラブ」の名称で職員に利用されている
(現在(株)SUMCO管理)
 旧官舎・甲社宅   朝来市旧生野鉱山職員宿舎として一般公開
緑ヶ丘社宅    社宅の屋根には「生野瓦」とよばれる赤みがかった色のものがある
奥社宅・神宮寺社宅    新町地区の上筋にある社宅群
寺ノ上社宅  (希望により公開   口銀谷地区の山手にある社宅群
生野町外の関連近代化産業遺産
 神子畑鋳鉄橋 朝来市、養父市 国指定重要有形文化財 
神子畑鉱山事務舎・ムーセ旧居  朝来市、養父市 県指定重要有形文化財 
 明神電車と蓄電池機関車
 羽渕鋳鉄橋 朝来市、養父市 県指定重要有形文化財
 生野鉱山寮馬車道 通称「銀の馬車道」
姫路市、神崎郡福崎町・市川町・神河町・朝来市 
 明延鉱山探検坑道 養父市 旧世谷通洞坑  事前申込制 
 多田銀銅山 川辺郡猪名川町
一部町指定史跡(多田銀銅山代官所跡遺跡)
一部公開(公開資産:青木間歩、多田銀銅山代官所跡等 
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